認知症のピチちゃんが落ち着かなくなったり、不穏になったりしちゃうとき、
それは、だいたい、いろんなことが わからなくなっちゃったときです。
ピチちゃんが落ち着かない時、不穏なときに役立った対処法を、ご紹介します。
テレビはわかりやすく穏やかな番組を
ドラマは理解できない、国会中継は怖い
認知症の初期から、ドラマのストーリーを追うことは難しくなっていましたが、
困ったのは「テレビが自分に話しかけている」と感じている様子だったこと。
ピチちゃんの夫は、怖いドラマや、国会中継をよく見てました。
さらに、ピチちゃん夫は耳が遠いので大音量。
ピチちゃん一人の時も音量はそのままなので、
「なんだかわからないけれどいじめられている」と感じていたようです。
「なんだこの女は!!!」
「腹のうちは分かってんだ!!」
「盗人が!」
認知症の中期ごろのピチちゃんは、薄暗い部屋でひとりでテレビに向かって怒鳴ってました。
(・・・ピチちゃんは浜育ちなので、もともと言葉が荒いのです)
テレビから怒られたり、ケンカを売られたりしていると思っちゃってたんでしょうね。
認知症が最重度になってからは、言葉自体をあまり発しなくなりましたが、
ピチちゃん夫がいない時だけでも、照明をつけて、テレビの音を小さくして、穏やかな番組に替えるようにしています。
歌番組も、だんだんわからなくなる
ピチちゃんは歌番組や歌うことが大好きだったのですが、認知症になってから歌を歌わなくなりました。
特に認知症中期にデイケアやショートステイに行き始めた頃は、断固としてレクリェーションを拒否・・・で、夜にウロウロ、他の利用者さんに言いがかりをつけて付きまとう。
このころ預かってもらった施設のスタッフさん、他利用者さんには、かなり迷惑かけてしまいました。
もともと、町内の集まりや老人会にも一切顔を出さない人だったので、雰囲気が嫌いなのかもしれません。
今は、簡単な歌を歌って誘っても、言葉だけ復唱します。
歌が好きだったと思っていたけれど、そうでもなかった?
メロディーは意外に早く、忘れてしまうものなのかもしれません。
教育テレビは落ち着く
教育テレビは、あまり当たりはずれがなく落ち着いて見ています。
子ども向けの番組はもちろんですが、それよりも、学習番組が落ち着きます。
わからないことが前提の番組のほうが安心するようでした。
「つまらないだろう」と思うのですが、意外に落ち着くのが将棋や囲碁の番組でした。
「20秒…25秒…28秒、七五四銀」
そんな解説の穏やかなリズムが落ち着くのかもしれません。
本は「字を読む」か「写真を見る」
絵本よりも字を読む作業が安心する
手元で眺める本も、物語なら絵本よりは字ばかりの本のほうが好きみたい。
辞書を読んでる?(見てる?)こともあります。
絵本はストーリーと絵を融合しなければならないし、そもそも「絵」と「実物」を頭の中で結びつけることが難しいのかもしれません。
字ばかりの本は、内容というよりも「字を読む」という作業で完結しているようです。
料理雑誌と園芸雑誌
ピチちゃんが楽しそうに見ているのは、園芸雑誌と料理雑誌。
園芸雑誌なら、風景画というよりもカタログのようにお花が並んでいるので、どこを見たらよいのかが、わかりやすいのかもしれません。
逆に、料理雑誌は、おいしそうに配膳された状態の写真のページが好きみたいです。
何をしても落ち着かない時
数をかぞえる
何をしても落ち着かない時や、目が冴えてなかなか寝ない時は数を数えます。
手をつないで家の中を歩き回らせながら数を数えると、89から50になったりと、めちゃくちゃですが一緒に数え始めます。
で、少し落ち着いたらベッドに寝かせて電気を消してから、さらに数を唱えて誘うと、一人で数を数え始めます。
眠れない日は、様子を見に行くたびに数を数える声がしていました。
数えすぎて声が枯れていた日も・・・
いつも、うまくいくわけではないけれど、ここのところは「数をかぞえる」ことで落ち着かせています。
お医者さんに薬をもらう
他のスタッフや利用者さんに付きまとっていじわるしたり、夜になると活発になったりしていたころ、施設からの勧めで認知症の主治医の先生にお薬をお願いしました。
その時に出してもらった「抑肝散」という漢方薬がピチちゃんには合ったみたいで、ずいぶん扱いが楽になったのです。
今はもう、あのころに比べるとずっとおとなしいので、誤嚥性肺炎の入院をきっかけに漢方薬も処方されなくなりました。
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