まだ、仕事を始めたばかりのころ、
薬をちゃんと飲まないで病気が悪化することを繰り返すAさんを担当していました。
「させられた」約束は守れない
![](https://nobinobinyanko-kaigo-kosodate-etc.com/wp-content/uploads/2021/02/medical_kusuri_takusan_man.png)
まだ若かった私は、面談するたびに、Aさんが薬を飲まない理由を尋ねては、薬の必要性を説明して「Aさん、お薬ちゃんと飲んでくださいね!約束ですよ!!」と言っては、Aさんが「ハイ」ということに安心していました。
でも、結局、Aさんはお薬に抵抗があって、飲まない日が続くのでした。
こうして「約束させる」ことを繰り返す、これが約束の主体が「約束させる」側のパターンです。
今思えば、あまり相手の気持ちを考えていなかったなと思います。
約束は「する」もの
あなたと約束がしたい
私が産休・育休に入り、その間、Aさんの担当は別の人がしていました。
育休が明けて、久しぶりにAさんと面談したときのことです。
「あなたと約束したい」「明日から毎日休まずデイケアに通う」とAさんが言うのでした。
![](https://2.bp.blogspot.com/-7m-bFYa9sb0/WIW-RAPQ_qI/AAAAAAABBT4/3nCD2XmWY34yU4Mrp658dhSjPSqxzX4WACLcB/s800/osyaberi_man.png)
「デイケアに毎日通う」ことは、それまでのAさんから考えれば、薬を毎日飲むこと以上にハードルが高いことでした。
「100%を目指すと疲れちゃうから、『なるべく』にしましょう」「休むことが大事なこともあるから」と話しつつも、私は「約束する側」のAさんから、主体的に約束されました。
自分で選んで決めた約束は「守れる」
なんとAさんは、そこから半年、私が異動で担当を変わるまでデイケアに通い続けました。
ただ通い続けただけではありません。
「生き生きと楽しそうに通い続けた」のです。
相変わらず、お薬は飲んだり飲まなかったりしていましたが…
![](https://1.bp.blogspot.com/-g9Iqq8m8xU4/X5Ocgsj6KJI/AAAAAAABb_w/nO4clEg7SGEG_cxbt-N7XhNq0LFFTkD7gCNcBGAsYHQ/s990/school_tsuugaku_woman.png)
約束の意味を、改めて考えさせられた出来事でした。
約束は選択
本当の約束は誰かに強制されるものではなく、自分自身で「ここから先」を選びとっていくときにするものなのかもしれないと、思います。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1f520a74.73ed8159.1f520a75.dac9755b/?me_id=1213310&item_id=20038884&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F1361%2F9784805881361.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
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