1歳6か月児健診の前に「パパ、ママ、にゃんにゃんくらい言えないと・・・」と心配している方はいませんか?
言葉が出なかったり、はっきりしなくてもコミュニケーションが取れていれば大丈夫!
1歳6か月前後の子どものコミュニケーションってどんな感じなのでしょうか。
母子手帳を見てみよう
母子手帳を開いてみると、保護者の記録【1歳の頃】に、指さしの項目があります。
〇バイバイ、コンニチハなどの身振りをしますか
〇大人の言う簡単な言葉(おいで、ちょうだいなど)がわかりますか
〇部屋の離れたところにあるおもちゃを指さすと、その方向を見ますか。
〇どんな遊びが好きですか
厚生労働省「母子手帳『省令様式』」より
ここで出てくる「指差し」は、かなり高度なコミュニケーションです。
指さしには4つのパターンがある
言葉を話すようになる前に、コミュニケーションの道具として現れる「指さし」。
指差しなどのジェスチャーはものを指し示す記号のようなもので、言葉に似ています。
実はこの指差しには、自分の中で考える際にする指差しと、コミュニケーションのための指差しがあり、コミュニケーションのための指差しには、さらに3つのパターンがあります。
思考としての指差し
発見の指差し
何かを発見した時にする指差しです。誰かに何かを伝えるコミュニケーションの意図はありません。「ひとりごと」ならぬ「ひとり指差し」ともいえる指差しで、実物ではなくても絵本やテレビを見ながらひとりで指差しをしていることもあります。
コミュニケーションとしての指差し
要求の指差し
冷蔵庫の中にあるものを出してほしいとき、高い所にあるものを取ってほしいときなどに指さして「とってくれ」と要求する指差しです。指を広げた状態のまま、欲しいものを要求する手のひらを伸ばした「手差し」から、徐々に人差し指だけを伸ばした「指さし」に変わっていきます。初歩的なコミュニケーション指差しです。
共感の指差し
お散歩してるときに少し離れたところに何かを発見した際に、一緒にいる人に指さして教えてくれるのが、共感の指差しです。
応答の指差し
応答の指差しは、周囲の人からの問いかけに答える指差しです。本物を指さす場合もあれば、絵本の中の絵などを指さすこともあります。
指差しでコミュニケーションを楽しもう
指差しをするかしないか、言葉が出ているかどうかなどは確かに子どもの発達を表していますが、大切なのは子どもがコミュニケーションを楽しめているかどうかです。
赤ちゃんとのコミュニケーションは「眼差しの共有」から
指差しのはじまりは「見る」という行為の共有です。
はじめは「人-人」から
赤ちゃんは人見知りをしたり、お世話をしてくれる人を見ると微笑んだり、人に反応して表情が変わることがあります。このような「人-人」の関係がコミュニケーションの始まりです。
「人-もの-人」で指差しを使う
まだ指差しをしない時期の赤ちゃんが、珍しいものや好きなものを見つけたり、何か欲しいものがあったりすると、お世話してくれる人の顔とその「もの」と何度も見比べる仕草をすることがあります。まだ指は指していませんが、これが「指さし」に発展する「人-もの-人」の関係です。
赤ちゃんが見ているものに、指差しやそのものの名前を添える
赤ちゃんがみているものの名前をいいながら、そのものを指さしてあげると指差しのコミュニケーションが成立します。繰り返しているうちに、赤ちゃんもまねて指をさすようになってきます。
発見の指差しをしていたら、名前を添えてコミュニケーションにしてしまう
コミュニケーションの指差しが出る前に、自分で指差しをしながら遊んでいる時期なら、赤ちゃんが指さしているものの名前を言ってあげると、赤ちゃんはお世話してくれる人の顔をものと交互に見ます。
コミュニケーションが苦手な子もいる
中には、エンジニアタイプの子もいて、人とのコミュニケーションよりも「もの」や「仕組み」への関心が強い子もいます。
また、「指差しなんかまどろっこしくてしてられない」とばかりに、興味のあるもののところへまず行ってみる子や、緊張しやすくて指差しをする余裕のない子、指差しをしないまま話し出す子、その子によって、いろいろです。
ひとりで悩んで無理な特訓をしてしまうと、コミュニケーションが楽しくなくなってしまうこともあります。
悩んでいるよりも相談しよう
コミュニケーションが苦手な子の場合、得意なものからコミュニケーションを広げていくという方法もありますので、心配なときには、自治体の保健センターや子育て支援センターなどに相談してみましょう!
コメント