介護していると自分のことまで気が回らない
子育てと違って、いつまで続くか分からないし・・・辛い
にゃんこ
そうだよね
相手のペースに合わせ続けることになるから、介護って大変。
少しでも楽になれる方法を考えよう!
他の人はどうなの?|介護する人の実態
厚生労働省の調査によると、要支援以上の高齢者を介護している家族の3割以上は毎日半日以上を介護に費やすと回答しているといいます。
要介護の高齢者にしぼると、介護している家族の半数以上が「ほとんど終日」「半日程度」を介護に費やしているという実態になります。
同居の主な介護者の介護時間を要介護度別にみると、「要介護1」から「要介護2」までは「必要なときに手を貸す程度」が多くなっているが、「要介護3」以上では「ほとんど終日」が最も多くなっている。
厚生労働省 国民生活基礎調査「要介護度別にみた同居の主な介護者の介護時間の構成割合」
実際、ピチちゃん(重度認知症で排泄全介助の要介護3)では、日に6時間は介護に費やしています。連続した6時間ではなく、朝昼晩の食事やおやつ、おむつ替えで細切れに1日中拘束されますので、ピチちゃんの在宅期間中は食材の買い出しや金融機関に出かける程度しかできません。
(実は、この頃もピチちゃんは要介護5の状況だったことが後日分かります)
介護する人に仕掛けられている5つ+3つのワナ
介護中におちいりやすい5つのワナ
介護中は相手のペースに合わせ続けることになるので、自分の楽しみや仕事、ペースを犠牲にすることになります。だんだんとそれが当たり前になっていくことで、いつの間にか「介護者がおちいりやすい5つのワナ」にはまっていくのです
1.疲労感、セルフケアができない
- 睡眠時間が細切れになり、十分休養できなくなる
- 自分の健診や通院がおろそかになる
2.あきらめ
- 外出や人と話すことが時間的に難しくなり億劫になったり、あきらめてしまう
- 仕事やサークル活動などを続けることをあきらめて、やめてしまう
3.抱え込み
- 介護されている人の状態が悪くなると罪悪感を持つ
- 介護の大変さは他の家族には分かってもらえないと思う
4.経済的裏付けの喪失
- 介護離職した場合、介護者自身が得る収入が絶たれて自由に使えるお金がなくなる
- 介護度が高くなるほど、介護保険サービスの利用料金が上がり、経済的に苦しくなる
5.自信の喪失
- 介護者自身が大切にしていた仕事や活動を失ったことで、自分には価値がないと感じてしまう
- 自分は「家族の下働きをする役割」と感じてしまう
介護が終わった後、おちいりやすい3つのワナ
子育てと異なり「介護が終わる」ということは、介護されていた人が施設に入るか亡くなるかを意味します。介護が長ければ長いほど、介護されていた人への愛情があればあるほど、介護者はメンタルヘルス上のダメージを受けてしまうことがあります。
1.後悔
- 「もっと優しくすればよかった」と後悔する
- 「〇〇すれば長生きしたのでは」などと自分を責める
2.対象の喪失
- 寂しくてしかたがない
- もう誰にも必要とされていない感じがする
3.燃え尽き
- 何もやる気が起きない
- 自分が空っぽな感じがする
このような「喪失後の状態」から回復するためには、一般的に1~2年程度の時間が必要だといわれています。
介護者がおちいりやすい5つのワナから脱出するために
介護であれ子育てであれ全てを犠牲にして尽くしてしまうことはお互いにとってよくありません。
お互いがほどほどに幸せになれる選択を
「最高の介護をしてあげたい」と思うかもしれませんが、ほどほどに手を抜いたほうが介護を長く続けることができますし、介護が終わった後の燃え尽きを防ぐことができます。
多少介護が行き届かなくても、介護者自身の健康を第一に考える
介護されている人が在宅で生活できるのは、介護者が元気でいてくれるからです。介護している人の健康を優先させるのは当然だと考えましょう。
介護者の受診を先延ばしにしない
介護をしていると、一度キャンセルしてしまった受診はそのまま中断してしまうことが少なくありません。介護者が自分の受診を最優先にすることは、長い目で見れば介護されている人のためにもなるのです。
健診は毎年必ず受ける
健診に関する仕事をしていたころ、介護中の人には血圧の高い人が多くいて、睡眠時間が十分とれないことやストレスが原因になっている印象でした。糖代謝や脂質代謝の異常のある人も少なくなく、「介護って自分の体を削るものだなあ」と感じました。健診は毎年受けて、早めに対処するようにしましょう。
介護保険サービスや民間サービスを利用して自分の時間を確保する
預かってもらえるサービスを使う
介護保険サービスには、ショートステイやデイサービスなどの通所系サービス(預かりサービス)があります。少しでも仕事や趣味などの介護以外の活動を残すようにしましょう。仕事や活動をやめざるを得なくなったとしても、介護をしながらできる新しいことを始めることで自分自身を保つことができます。
プロに相談する
家族や親族に相談するのはもちろんですが、介護はプロに相談すると解決することが少なくありません。介護保険サービスを使っている要介護の人ならケアマネージャーへ、要支援の人やまだ介護保険サービスを使っていない人は地域の包括支援センターへ相談してみましょう。
経済面の不安を軽くする
必要なものは年金から
当然だと思うのですが、意外とされていないのが「介護されている人が使うものや食べるもの、介護サービスの費用は年金の中から出してもらう」ということです。遠慮する必要は全くありません、年金から出してもらいましょう。
少しでも在宅介護の報酬を受け取る
在宅介護を行った報酬がいくらなら妥当なのでしょうか。私としては毎日6時間以上ピチちゃんの介護や身の回りのことに費やしているので、少なくとも1日6,000円の報酬は必要だと感じます。介護がなければ仕事に行けることを考えれば月20万円でしょうか。
施設を利用した際の介護保険サービスの料金は、1割の自己負担分に食費などの実費を含めて1日約3,000円程度です。3,000円×在宅日数では、在宅介護の報酬としては全く足りないとは思いますが、「こんなんじゃ全然足りないけど」と言いつつ、確保しましょう。
金額の多寡ではなく、報酬があるということはメンタルヘルスによい影響を与えます。
実際は私もできてません
のびのびにゃんこさんはできてるの?
・・・できてない(;^_^A
できていないことばかりだから、これから気を付けるよ
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