「在宅介護にかかる費用は月5万円」ってよく聞くよね
にゃんこ
ピチちゃんは、5万円よりもっとお金がかかってる気がするよ
どんな考え方で5万円という数字が示されるのか、実際はどのくらいかかるのか、ピチちゃんの場合を含めてご紹介します。
介護にはどのくらいお金がかかる?|要介護3で在宅の場合・施設の場合
在宅介護は月5万円の考え方
家計経済研究所の「在宅介護のお金と負担」では、在宅で介護する場合は平均で月5万円かかるとされています。
同居の主な介護者の介護時間を要介護度別にみると、「要介護1」から「要介護2」までは「必要なときに手を貸す程度」が多くなっているが、「要介護3」以上では「ほとんど終日」が最も多くなっている。
厚生労働省 国民生活基礎調査「要介護度別にみた同居の主な介護者の介護時間の構成割合」
介護度が高くなるほどかかる費用は高くなり要介護1で33,000円、要介護3で60,000円、要介護5になると74,000円になるということです。
介護度 介護に関する支出(円) | 要介護1 33,000 | 要介護2 44,000 | 要介護3 60,000 | 要介護4 59,000 | 要介護5 74,000 | 平均 50,000 |
介護に費やす時間が「ほとんど終日」となる割合が最も多くなっている「要介護3」以上、
つまり、排泄や食事のたびに介護が必要になってくると、5万円では納まらないということですね。
施設入所は月10万円
ちなみに施設入所している場合の費用については、要介護3の人が運よく特別養護老人ホームに入所できた場合で月10万円程度かかります。
あきらめないで!経済的に苦しいけれど、在宅では介護できないという場合
※年金額や家族の状況によっては食費などの軽減措置があります。特別養護老人ホームなら国民年金の満額受給、月に6万円程度があればなんとかなります。特別養護老人ホームは施設の中では安く、住所を移すこともできます。年金額が少なくて本人名義の貯金などの財産もない場合には、本人のみ別世帯扱いとして、生活保護を受けることができますので、あきらめないで相談してみてください。
ひと月におよそ7万円|ピチちゃんの場合
でも、ピチちゃんの介護費用は6万円で納まっていない気がする・・・
ということでピチちゃん場合を計算します。
介護保険サービスの利用の際に支払うお金
介護保険サービスに月4万円|食費など、自己負担分がある
ピチちゃんは老人保健施設のショートステイと在宅を1週間ずつ行ったり来たりしています。
なので、こんな感じの請求書が毎月2枚毎月郵送されてきます。
ショートステイは施設に行く日と帰ってくる日も1日として数える
一週間ごとに施設と在宅を往復していますが、朝イチで帰ってきてもその日の分の費用もかかります。
なので食費は7日分で、サービス費や滞在費は8日分になっています。
実際、在宅だって、施設に送り出す日の朝は準備などで疲労困憊しますので、施設も帰宅日をカウントするのは妥当だとおもいます。
ただし数日のショートステイを繰り返すと費用対効果がよくないことは覚えておくとよいでしょう。
デイサービスでなく、ショートステイを使っているのは、認知症で介護への抵抗が強かったころに施設に連れていけるまでに何時間もかかった頃の名残です。
デイサービスでは送り出すだけで家族が疲労困憊してしまいますから・・・
1週間のショートステイは、送り出す日と迎えに行く日を除く5日間は介護のことを忘れて暮らせるのでありがたいです。
電動ベッドで千円、ベッドやスロープなどの介護用品のレンタルはコスパ抜群
足腰に痛みが出たり、おむつ交換が必要になったら用意したいのが、介護用ベッドです。
ベッドを購入する前に、レンタルを検討!
月々1,000円ちょっとで、介護用の電動ベッドを借りることができて、定期点検と調子の悪い時には修理・取り換えも無料でしてもらえる介護保険でのベッドのレンタル。
セッティングもしてもらえ、サイドバーなどが必要な場合には追加もできます。家具調のものがよいなどのこだわりがある場合は別ですが、自分で購入するよりもずっとお得で楽です。
ベッドの柵と立ち上がる時に使えるサイドバーがついて、なんと月々1,170円!!
介護保険外でも介護用ベッドのレンタルができる
介護用ベッドが欲しいけれど、まだ介護サービス対象外という場合でも、2,000円程度でレンタルできます。介護福祉用具専門店に相談してみてくださいね。
在宅期間だけで、おむつなどで1万円
ピチちゃんはテープ式紙おむつと尿取りパットを併用して、お風呂上りだけリハビリパンツを使っています。
一袋当たりの値段 | 内容量 | 1枚当たりの値段 | 1日に使う枚数 | 1日当たり費用 | ||
テープ式紙おむつ | 2,700 | 30 | 90.9 | 2 | 180.0 | |
尿取りパット(小) | 1,400 | 80 | 17.5 | 7 | 122.5 | |
尿取りパット(大) | 1,500 | 38 | 39.5 | 1 | 39.5 | |
リハビリパンツ | 1,600 | 22 | 72.7 | 0.5 | 36.4 | |
おしりふき | 250 | 72 | 3.5 | 10 | 34.7 | |
使い捨て手袋 | 1000 | 100 | 10 | 8 | 80 | |
合計 | 492.6 |
月に16~22日在宅期間がありますので、20日として1万円近くかかっていることになります。
大きな病気がなければ、医療費はそれほど負担にならない
私たちは3割負担ですが、75歳以上になると後期高齢者医療になるので、医療費は安いです。お薬が複数出ても検査がなければ1,000円超えることはほとんどありませんでした。
ミキサー食に欠かせない、とろみ剤やゼライスが月に1,000円
ミキサー食を作るにはとろみ剤が欠かせません。
のみ込みがうまくいかないときには、水分にもとろみをつけますので結構たくさん使います。
介護以外の生活にかかるお金は?
ここまでがピチちゃんの介護費用です。介護があってもなくてもかかる食費や衣類購入費、美容院などまでは計算していませんが、月2~3万円はかかっているかなという印象です。
ピチちゃんの在宅介護にかかる費用は、ひと月におよそ5万円の介護関連費用+生活費2~3万円でした。
徘徊する認知症の方などは、常に見守りが必要でGPSが必要になることもあるかもしれませんので、さらに費用がかさみます。
人件費やリスクを考えたら、施設の方がよい場合も
確かに、施設に入所した場合の13万円と比べると在宅介護の7万円は安く感じるかもしれません。
でも本当にそうでしょうか?
在宅介護が安いのは人件費を含んでいないから
在宅介護って、家族の誰かが「ただ働き」、無賃労働をしているから成り立っているってこと、忘れてる人多いです。
お仕事に出たくても、排泄や食事にも介助が必要な状態になるとあまり長く家を空けることができません。介護がなければ稼ぐことができていたはずの収入を考えれば、「在宅介護のほうが安い」なんて言えないはずなんですよね。
介護は、介護者の心身をすり減して提供されている
私の場合、ピチちゃんの在宅期間が10日を超えると心身ともに限界な感じになります。
ずっと家に縛られることで、今までできていたことができなくなることとか
自分の親でもないのに当たり前な感じで介護を押し付けられていることに対するイライラとか
在宅介護が家族の危機となるリスク
介護している人がストレスから体調を崩してしまったり、介護が終わって介護者が燃え尽きてしまったりすることもありますし、
お嫁さんに介護をさせることで、息子夫婦が離婚の危機に瀕することも少なくないと思います。
「何が何でも在宅介護」という考え方はリスキーだなって思います。
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