「まだまだ赤ちゃんだと思っていたのに、急にいうことを聞かなくなってきた」「何を言っても『イヤ、ダメ』で疲れてしまう」「公園から連れ帰るのも一苦労」そんな風に悩んでいる方はいませんか。
2歳前後の子どもは、何を言っても「イヤ」「ダメ」「キライ」・・・
ダダをこねるイヤイヤ期真っ最中の「魔の2歳児」は、ちょぴり手が焼ける時期ですね。
でも、このイヤイヤ期は、子どもが順調に成長発達している証なので、大変だけれど心配することはありません。
子どもの成長発達の過程には、「反抗期」といわれる時期が2度あります。
一般的に「反抗期」といってイメージするのは、思春期に訪れる「第二次反抗期」。些細なことでも親や先生にイライラしたということを覚えている方も多いのではないでしょうか。
それに対して、第一次反抗期は、自分の体験として覚えている人はあまりいないかもしれません。「第一次反抗期」とは、どんな時期なのでしょうか。
イヤイヤ期ってどんな時期?
2歳前後から始まる第一次反抗期は、突然始まるわけではありません。どんなふうに成長発達して第一次反抗期に至るのでしょうか。
イヤイヤ期になるまで|感情の分化
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ「自分」というもの以前に「他者」というものも意識しておらず、感覚の中で生きています。
さらに、生まれたばかりの頃はその感覚もぼんやりしていて、「快適」か「不快」か、そして興奮しているかどうかに分かれている程度です。
- 快適:満腹、すっきり、きもちいい
- 不快:空腹、おむつや衣類が濡れて気持ち悪い、暑い・寒い、痛い
月日が経つと共に、快適と不快はさらに細分化されていきます。
「快適」な感情の分化
- 満腹、すっきり、きもちいい
- おいしい
- 好き・大好き
- 「できた!!」という達成感
「不快」な感情の分化
- 空腹、気持ち悪い、暑い・寒い、痛い
- おいしくない
- 怖い
- 嫌い・嫉妬
- 不満や挫折感
月齢と共に感情は分化していきいますが、それぞれの感情に適切な名前を付けることができるまでには、少し時間がかかります。
イヤイヤ期になるまで|人見知り
生まれて間もない赤ちゃんは、自分自身と他の人の区別が明確ではありません。徐々に人を識別するようになり、生後8カ月前後になってようやく自分以外の「他者」を「安心な人」と「それ以外の人」とに区別するようになります。これが、いわゆる「人見知り」です。
赤ちゃんの発達は、自分からは見えない「自分自身」よりも、まずは、周りの人に対する理解から始まるのです。
イヤイヤ期|第一次反抗期
2歳前になると、ようやく「自分」を意識するようになります。いよいよイヤイヤ期、いわゆる「第一次反抗期」の始まりです。
第一次反抗期の子どもは、初めて自分を主張することを覚えて、嬉々として「イヤ」「ダメ」「キライ」と連呼しているようにも見えます。
イヤイヤ期は、自分(自我)との出会い
「自分でする」という体験の積み重ねで、子どもは「自分」というものを子どもが意識するようになります。「落ちているキラキラしているものを拾う」「おままごとをする」「車で遊ぶ」などという自分の興味を持った行動をすることで、「自分がしたいこと・したくないこと」を発見して、自我を意識するようになっていくのです。
また、いつもは手伝ってもらっていた、「靴を履く」「歯を磨く」「服を着る」などの行為を自分でできるようになることで自分の有能さを実感することになり、「自分でやる」という思いを高めていきます。
2種類のイヤイヤとその対応
子どもがいくら「自分は有能だ」と思ってもまだできないことはありますし、いくら「したいこと」でもさせてもらえないこともあります。この2つのイヤイヤへの対応はそれぞれ異なります。
うまくできなくて怒っているとき|イヤイヤ期
自分でしたいけれどできなくて怒っているときには、見守るか許可を取って手を貸すとよいでしょう。怒りながらでもがんばっているようならそっとしておいてあげましょう。
気に入らなくて怒っているとき|イヤイヤ期
させてあげられないことをやりたくて怒っているときや、やりたくないことをさせられて怒っているときには、なるべく早く場面を切り替えてしまうことが有効です。
イヤイヤ期を親子で前向きに過ごすためには?
「イヤ」「ダメ」「キライ」は否定ではなく、発見だと思おう
第一次反抗期だと分かっていても、「イヤ」「ダメ」「キライ」と連呼されると疲れてしまいますよね。でも、子どもは否定しているわけでなく、自分自身を発見したことを主張していると考えると少し余裕ができるかもしれません。
子どもにかかわる人を増やそう
2歳前後になると「自己」と「他者」の違いをはっきり認識していくと共に、複数の他者についてもそれぞれが別の人だということをしっかり認識できるようになります。
いつも一緒にいる家族だけでなく、子ども自身の体験という意味で、積極的に一時保育などを利用したり、接点の少ない家族と一緒に過ごしてもらったりしてみましょう。
いつもと違う環境や人間関係の中で、子どもの新しい一面が発見できるかもしれません。
親にとっても、他の人が子どもに関わってくれることは、気持ちのゆとりができて楽になります。
自信を持とう
何を言っても「イヤ」「ダメ」「キライ」と全否定していても、2歳前後の子どもはママが大好き。子どもの「イヤ」「ダメ」「キライ」に一喜一憂しないで、自信をもって子育てしてくださいね。
コメント